「Business-inJP CLUB」とは

私は本CLUBを立ち上げたのは、新型コロナウイルスが流行っていた原因で日本が緊急事態宣言を発表した2020年4月です。日本留学の事業を行っていますので、そのような状態で日本に来られる新規留学生はほぼゼロなので、売り上げが激減しました。絶対、新型コロナに負けたくない、どうやってこの難関を乗り越えられるかと考えていた時に、日本でビジネスをする外国人に向けて役に立つ情報を発信し、それに基づいたビジネスが行けるのではと思いました。

日本で起業する外国人はどのくらいいるでしょう。在留資格別外国人者数(2019.6調査データ,日本入国管理局)の統計データからみれば、高度専門職1号ハ(高度投資・経営管理を従事する人)のビザ473人、経営・管理ビザが26,148人、そのいずれも中国人の割合が多くて、半分くらいを占めています。近年、国家戦略特区の創設による経営・管理ビザ猶予期間の設けで、外国人の創業活動が増加する傾向にありますが、それでも総人数からみれば、0.94%程度に止まり、かなり少ないと思います。

なぜこんなに少ないだろう。起業人材を対象とした在留資格・ビザ制度がない、起業予備軍となる留学生への起業誘致・定着させる仕組みができていない、起業から生活まで総合的にサポートする体制が整備されていない等々の問題が報告されています(『日本の国際競争力 No.1』,日本総研,2015年6月)。

日本は留学生の学業から起業へと繋げたい意図が読み取れるでしょう。その場合、本質的な問題となるのは、留学生がスタートアップに関する知識やスキルが足りないことです。起業予備軍となる留学生は、日本の大学や大学院で専門知識の勉強や学術・課題研究を行い、卒業時期にいきなり起業家という身分へ移行しようとしても、身分変更による心理的不安はもちろん、そもそもこれまでの知識や研究経験は、ビジネスの世界で、スタートアップに通用するのかという深刻な問題があります。政府からの支援制度や仕組み作りが重要だけれども、ビジネスに関する知識やスキルを一から教えてくれるのはまずないと思います。

最初から日中間でビジネスをやりたいため、日本留学しにきたという学生さんもいるし、日本にきてから何らかのきっかけで日本で起業をしたい思いが生まれた留学生さんもいるでしょう。また、留学生は卒業後、母国に帰って起業して、日本に関わるビジネスを行う場合もあり得ます。このように、もし留学生の起業という意思決定に繋げるきっかけが分かれば、これらのきっかけを手掛かりに、留学生の日本での起業活動をうまく促進できるかもしれません

それにもう一つ、すでに起業した外国人の模範的事例があまりメディアに報道されていません。外国人で日本で起業して大成功する事例があると思います。このような典型的事例の成功要因の探りは重要だと思うし、メディアに注目・報道されないと、起業予備軍の留学生たちへ、成功モデルによる刺激が少ないと思います。一方で、起業してうまく行けないケースもあるでしょう。その場合、メディア側は深く取材して、なぜいけないのかということを追及することで、今後の支援仕組み作りに役に立つと思います。もし外国人のための起業環境を整備するというのならば、このようなメディア環境もその一種だと考えられます。
もちろん、どんな環境であれ、外国人起業の成功モデルがどんどん出てきたら一番良いと思いますが、それをより良く実現するには、やはり前述した本質的な問題、つまりスタートアップに関する知識やスキルを、多く備えておいたほうが起業の成功率が上がるし、すでに会社運営をしている方でも自分のビジネスを飛躍させることもできるでしょう。

話が戻れば、メディアに注目・報道されないことは、とても寂しい事象だと私は思います。メディアに注目されない以上、我々外国人起業家の声が日本社会に出られなくなる危険性があります。いっぱい知って欲しいことがあるのに、そもそも紙幅さえ設けてくれない、これより寂しいことはありますか。要するに、異境で様々な困難を乗り越えて成功しても失敗しても、話をちゃんと聞いてくれるメディアがあまりないことが現実です。このような状態で、日本は外国人起業環境の整備をどうやって進めるというのか。

なかったら、私はメディアを作ります。本サイト<https://business-injp.net>は、Business-inJP CLUBの保有メディアの一つとして、2020年4月15日に立ち上げられました。以上述べた経緯で、本サイトでは主に以下のコンテンツを発信します。

・スタートアップに関する知識やスキル
・外国人起業家の起業物語
・留学生をはじめ、外国人の起業環境に関する情報全般

また、これらのコンテンツ発信に連動して、オンライン講座・セミナーやスタートアップ関連プロダクトの開発・販売を計画しています。

我々Business-inJP CLUBはこのような情報発信やオンライン講座等の運営により、予備軍となる留学生の「study」から「start-up」へと円滑に移行することを支援します。我々は成し遂げたいこととは、外国人の日本での起業活動を活発化にし、多くのメディアに注目され、我々外国人起業家の事業活動に日本人を巻き込むことにより、お互いに刺激し合いながら、さらに多くの外国人留学生や日本人の起業意欲を喚起するというサイクルができればと思います。

李博
2020.5.10
2020.5.13 加筆

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